具体的な症状
更新日:2021/12/30

具体的な症状

身体の状態に影響するもの

生活不活発病の初期症状としてあらわれるのは「長時間歩くと疲れる」「立ち上がりにくい」「座っているだけでも疲れる」といったものです。基本的な生活動作にもかかわらず不自由さを感じるようになります。生活動作は様々な心身機能から成り立っているため、全身の機能が低下していることで動きにくさを感じます。
全身に影響する症状としてあらわれるのは「心肺機能の低下」「起立性低血圧」「消化器機能の低下」「食欲の低下」「便秘」「尿量の増加(血液量の減少)」などです。身体の一部に起こるものでは「関節拘縮」「廃用性筋萎縮・筋力低下」「廃用性骨萎縮」「皮膚萎縮」「褥瘡」「静脈血栓症(肺塞栓症)」などが挙げられます。

心の状態にも影響を与える

生活不活発病になると身体が動きにくくなるだけでなく、心の状態も不安定になります。一つの症状だけでなくいくつかの症状が同時進行していくことで、日常生活におけるあらゆる動作が困難になります。精神や神経の働きに起こるものとしては「うつ状態」「知的活動の低下」「周囲への無関心」「自律神経が不安定になる」「姿勢の維持や運動に必要な調節機能の低下」が挙げられます。また、上記に該当する症状がなくても、些細なことから発症する場合もあります。震災や感染症の影響による生活環境の変化はいつ起こるか分かりません。そのため、生活不活発病が疑われる場合は早期に自身の状態を確認し、予防に取り組む必要があります。

生活不活発病チェックリスト

近年、地震などの災害や感染症による影響で生活不活発病になる高齢者が増加傾向にあります。早期発見の一助として、厚生労働省は「生活不活発病チェックリスト」を公表しています。例として、地震前と現在の生活動作を比べてみましょう。「屋外を歩くこと」について、地震前はどうだったかを「遠くにでも一人で歩いていた」「近くなら一人で歩いていた」「誰かと一緒なら歩いていた」「ほとんど外は歩いていなかった」「外は歩いていなかった」の5段階から選んでください。その上で現在はどうかを「遠くにでも一人で歩いている」「近くなら一人で歩いている」「誰かと一緒なら歩いている」「ほとんど外は歩いていない」「外は歩いていない」から選んでください。地震前と現在を比べて、一段階でも低下している場合は生活不活発病が疑われますので、早期に対策する必要があります。また、このチェックリストは地震以外の災害や、感染症の影響による生活環境の変化にも応用できます。以下に生活不活発病チェックリストの全項目が載っているページを紹介しますので参考にしてください。