生活不活発病を予防・回復するためには、生活を活発化することが何よりも大切です。ただ身体を動かすのではなく、自身が楽しめることを見つけて精神面も充実させる必要があります。災害時は辛いことも多いですが、その中でも遠慮せずに楽しみや自身の役割を作り、気分転換をしてください。
まずは身の回りを片づけて、動きやすい環境を整えた上で少しずつでも動く時間を増やしましょう。日中、つい横になってしまう人はなるべく座る習慣を身につけてください。座りっぱなしの人は空いた時間に立ったり足踏みしたりしてみましょう。持病を持つ人はつい行動を制限しがちですが、無理は禁物と思い込まないで「どのくらいであれば動いても大丈夫か」「どういった動きはしてはいけないか」を医師に相談した上で、できる限り身体を動かす機会を設けてください。
無理のない範囲で身体を動かすのであれば散歩や体操などの軽い運動がおすすめです。軽い運動は身体機能を維持するだけでなくリフレッシュ効果も見込めるので、心身共に健康な状態を保てます。病気やケガの影響で積極的に歩けない人もいるかと思います。しかし、できないからといってあきらめるのではなく、どうすればできるのかを今一度考えて工夫してみましょう。例えば、歩くのが困難だからという理由で車椅子に頼るのではなく、多脚杖やシルバーカーなどを利用して身体を動かすようにすると自立度の高い生活を維持できます。
家事も立派な運動です。掃除や簡単な大工仕事は1000歩程度の歩行運動に該当するといわれています。畑仕事が好きな人は積極的に取り組んでください。耕作は1400歩程度の歩行運動、またはラジオ体操第2程度の運動量に該当します。洗濯や料理などの毎日行うような家事でも600歩程度の歩行運動と同等の活動量です。
家族や友人と交流することも社会参加の機会を増やすいい機会です。直接会わなくても電話で話すだけで口周りの筋肉が保たれます。もちろん、家族以外の人と交流するのもおすすめです。最近はオンライン通話やスマートフォンのテレビ電話機能を使って気軽に他者と交流できます。お互いの顔を見て会話をすることで孤独感やストレスの解消にもつながります。
健康的な生活を維持するためになくてはならないのが、バランスの取れた食事です。よく噛んで毎食欠かさず食べることが大切です。特に大切なのが、筋肉量を維持するために必要なたんぱく質の摂取です。食事制限を受けている人は医師に相談してください。また、食後や寝る前の口腔ケアも欠かさずに行いましょう。