自立支援がカギとなる
更新日:2022/02/13

自立支援がカギとなる

積極的な自立支援が求められる

生活不活発病の予防、あるいは要介護状態の悪化を防ぐためには自立支援がカギとなります。高齢者の運動不足は心身機能の低下を招き、廃用症候群などを発症する要因にもなります。そのため、介護施設においても自立支援に向けた様々な取り組みを行っています。

介護施設で行われる自立支援

介護予防プログラムを立案し、プログラムに基づいて筋力向上トレーニングを実施している老人ホームには「介護予防運動指導員」が配置されています。これは財団法人東京都健康長寿医療センター研究所が認定する民間資格です。介護予防運動指導員が中心となって行われる機能訓練では、日常生活に必要な動作で使用する筋力を維持するための介護予防体操や、専用のマシンを使用したリハビリなどを実施します。また、口腔機能を維持するためのトレーニングや個別相談なども実施し、介護予防に取り組んでいます。
器具を使ったリハビリ以外にも、簡単な調理やアクティビティへの参加などで生活に活気をもたらす「生活リハビリ」を積極的に実施しています。レクリエーションに力を入れている介護施設も多く、お正月の新年会や節分、ひな祭り、七夕、クリスマスなど、季節に応じた行事が開催されています。外食や動物園へのお出かけなど、高齢者と社会のつながりを絶やさないための外出行事も実施します。

その他のケア

施設内での生活においても自立支援が重視されます。その一環として行われるのが「水分ケア」です。水分は人間が生きていく上で必要不可欠なものです。人間の身体のほとんどは水分で作られており、その多くは筋肉に含まれています。筋肉量が減りやすい高齢者は体内の水分量も少なくなっているので、積極的に水分補給をしなければなりません。水分補給を促して、水を飲んでくれない高齢者には水分の多いゼリーをおやつに食べてもらうなどの工夫が必要です。
水分ケアと同様に重要なのが「栄養ケア」です。必要な栄養素が不足することで寝たきりや認知症を引き起こす要因となります。体力をつけて筋力を維持するためにも、しっかり食べてもらう必要があります。噛む力や飲み込む力が衰えている人に対しては食事の介助を行います。
また、「排便ケア」も重要です。基本的に下剤を使わずに、自然排便ができるようにケアをします。そのためには上記でも述べた水分補給がカギとなります。それに加えて、便秘気味の人にはオリゴ糖や乳酸菌を含んだ食事を用意して排便を促します。水分補給・栄養摂取・適度な運動を習慣化することで排便もスムーズになり、結果的に健康的な生活習慣が身につきます。