社会参加の重要性
更新日:2022/01/25

社会参加の重要性

心身機能を保つために

生活不活発病の予防で最も重要なのは生活を活発にすることです。生活不活発病は社会参加の制限により生活動作が低下し、結果的に心身機能が低下することで発症します。つまり、社会参加が活発になればなるほど生活動作を行う回数が増え、自然に心身機能を使う機会も増えて生活不活発病になりにくくなるのです。生活不活発病を予防するためには筋力を鍛えることが最重要と考えがちですが、そうではなく根本的な原因である「生活の不活発化」を見直す必要があります。一日のトータルの活動量を増やすために積極的に社会参加をして、日々の生活を楽しみながら自然と心身機能を使う状態を保つことが生活不活発病の予防・回復につながります。

社会的役割を持つことの大切さ

生活不活発病の予防・回復のために必要なのは「社会参加のレベル」を低下させず、むしろ向上させることです。そのためには社会や家庭生活での役割を増やす必要があります。例えば「家事」「地域社会との交流」「スポーツや趣味」などを通じて人生を楽しむことで、日々の運動量を維持できるだけでなく、生きがいや充実感を得ることができます。生活の不活発化が進む要因はいくつかありますが、特に多いのは「定年退職」や「転居・同居」などの環境の変化によるものです。このような環境の変化があった際にも社会参加を続けられるよう、これまでとは違った楽しみや目標を見つけて充実した生活を送ることが大切です。

家事も立派な社会参加の一つ

外出せず家の中にいる時でも、あらかじめ「やらなければならないこと」があれば生活の不活発化を防ぐことができます。その一つとして効果的なのが家事です。家事は外出に比べると活動量が少ないように感じるかもしれませんが、実はそうでもありません。ほとんどの場合、家事は立ったままで行います。洗濯や掃除、部屋の片づけなどは立ったりしゃがんだりという動作を繰り返すため、外出と同じくらい筋肉を使います。また、家事は達成感や満足感を得られる点でも大きな効果があります。家族という小さなコミュニティの中でも自分の役割を見出すことで充実感を得られます。一人暮らしであっても、誰かが訪ねてきても大丈夫なように、あるいは自分自身が健康的に暮らすために行う家事は立派な社会参加の一つといえます。
お姑さんの手を煩わせず、お嫁さんがすべての家事をした方がいいという考えを持つ人も少なからずいますが、それだと社会参加の機会を奪ってしまい生活の不活性化が進むおそれがあります。これからはお姑さんにも積極的に家事に参加してもらい、社会参加の機会を持ってもらうことが重要となります。